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「養育費の義務化」を「養育費の仕組み」を母子家庭育ちが考えます
こんにちは、母子家庭育ちのライターです。※私のTwitterアカウントはこちら、お気軽にフォローください。
今回は昔から少しずつ話題にはなっているお話、「養育費の義務化」についてお話させていただきます。
ちなみに母子家庭育ちの私個人の話で言えば、私の父は私の母に養育費を払ってはいませんでした。払わなかった理由や背景についても、私の家庭の実体験を交えつつお話させていただくので、どうぞご覧ください。
そもそも「養育費」とは?支払われる期間・金額の仕組みとは?
まずは「養育費」について簡単に確認しておきます。
基本的に養育費というのは、父親と母親の間の話し合いによって決められるものです。
支払われる期間は
- 子どもが20歳になるまで
- 子どもの義務教育が終わるまで
- 大学卒業まで
- その他一定の期間まで
と様々です。一部の方の間では、「養育費って子どもが20歳になるまでもらえるんでしょ?」とお考えかもしれませんが(私はそう思ってました)、実際には違うんですよね。
支払われる金額は、家庭裁判所が定めている『養育費算定表(リンク先:東京家庭裁判所 養育費・婚姻費用算定表ページ)』というものを基に計算されます。
養育費算定表では、子どもの人数別・年収別で支払うべき養育費の基準額が示されています。ただし、この他にも支払い中のローンの有無なども、養育費の金額に関わってきますから、必ずしも算定表通りの金額が決められるわけではありません。
「養育費の義務化」は現実的なのか?義務ではない理由とは?
今回のお話のテーマである「養育費の義務化」ですが、支払われる相手(母子家庭・父子家庭)の親・子どもにとってはとてもありがたいになるのは事実です。
しかしながら、この義務化が現実的なものかどうかと考えてみると、「養育費の義務化は難しい」というのが実情でしょう。
そもそも、養育費の支払いが義務化されていないのは、
というのも大きな問題となっています。これは、私の父親が養育費を支払えなかった理由に近い話です。
今まで親2人だから支払えてきた生活費・養育費・ローンなども、離婚して1人になってしまうと自分のことでいっぱいいっぱいに…。養育費を出すとなると生活が立ち行かなくなるという方がいらっしゃるのです。
というのも養育費を受け取るまでの障害となっています。
もちろん、「だからこそ義務化すべき」という声が高まっているのですが、上記の経済力の有無の問題を踏まえると、義務化はなかなか難しいというのが実情です。
養育費を支払いたくないと思う親の理由とは?
「義務化されていなかったとしても、自分の子どもだから払いたいと思うものじゃないの?」と思う声もあるかもしれません。
しかしながら、上記の経済力の問題や親権の問題を考えてみると、払いたくないという親御さんがいらっしゃるのもわかる気がします。
一緒に暮らしていないのに…
自分には親権がないのに…
面会の機会さえないのに…
こういった思いから、「お金の使い道が自分の子どもだとしても払いたくない」と考えてしまうようです。
養育費の義務化は、非常にデリケートな問題ではありますが、子どもを手元に置いておくことができなかった親側の気持ちも考えてみる必要はありそうです。
私の母の決断!と関係のこじれを嫌うこと
さて話が長くなってしまいましたが、母子家庭の子どもである私個人の考えとしては、「養育費の義務化は嬉しいけど、関係がこじれそうで怖い」というが結論になります。
義務化されてしまうと、細々としてやり取りが増えますし、支払うべき金額の取り決めなどで色々とこじれそうじゃないですか…。
だからといって、養育費を支払われる側が泣き寝入りすべきとは思いません。
たとえ面倒でも、たとえ少々話がこじれようとも養育費をもらおうとする働きかけることは、とても大切なことです。それは自分にとってはもちろんですが、何より子どものために養育費の存在が重要なものだからです。
養育費があることでできた楽しみ、養育費があることで叶えられた習い事・進学というのがあるからです。
私個人の話で言えば、私の母は養育費をもらおうとは思わなかったようで、母の収入だけで私は育ちました。母が養育費をもらわなかったのは、「私の父(元夫)・祖母(姑)との関係をさっぱりと絶ちたかったから」のようです。
それでも養育費があれば、私が今一生懸命返している奨学金の金額ももうちょっと少額で済んだのかなとも思います…。※父に養育費を払えるだけの経済力がなかったようなので、結果的にはもらえなかったとも思いますが。
まとめ:義務化にしたらしたで大変!カギは第三者の介入か
今回「養育費の義務化」を考えてみて感じたのは、「義務化にしたらしたで大変なことがいっぱいある」です。
養育費の受取に関して様々な手続きを踏まなければならないのは事実ですし、支払えるだけの経済力があるのかどうかも疑問です。また、義務化によって支払う側との関係がこじれ、別の問題・事件に発展しそうな気がしないでもありません。
であれば、「第三者ができるだけスムーズかつ、適正な金額の養育費を回収する仕組みを定めること」が重要であると私は考えます。
そうすれば、養育費を支払う側も、支払われる側の肉体的・精神的疲労も違ってくるからです。
一概に「養育費の義務化をすべき」とは訴えるのは時期尚早で、まずはこの仕組みを整えることが重要です。