「母子家庭叩き」をする人達へ母子家庭育ちの私が伝えたいこと

冷たい中傷に落ち込む女性




「自己責任だろ」と、母子家庭叩きをする人達へ

こんにちは、母子家庭育ちのライターです。※私(どん兵衛)のツイッターアカウントはこちら、お気軽にフォローくださいね!

今回は私が抱いてきた疑問といいますか、悲しく思っていることをお話します

世間は厳しいもので、母子家庭に向けられる視線は優しいものばかりだけではありません。そのことは母子家庭のお母さんや、私のような母子家庭育ちの子どもが1番わかっていることだと思います。

人によっては、

「母子家庭なんて自己責任だろ」

「自分達のせいなんだから社会に甘えるな」

「支援に期待するな、税金が上がるだろう」

という風に考える方もいました。いわゆる「母子家庭叩き」です。特にインターネット上に流れるニュースのコメント欄や掲示板には上記のような心無い言葉が散見されます。

今回はそういった考えをお持ちの方にお話したいことがあるのです。

たぬぽん
どん兵衛さん(母子ログ運営者)は10代前半に母子家庭育ちの子どもになってから、約10年が経っているよ。
きつねん
支えてきてくれた人や社会に感謝している気持ちは十二分にあるんだ。
たぬぽん
それでも母子ログを運営するに連れて再確認したこともあったみたい。「皆が応援してくれているわけじゃない」ってことに…。今回はそんなお話です。

 

応援してきてくれた人の真意が怖い

これまでの人生で私や兄弟、そして私の母に優しくしてくれた方達はいっぱいいます。今でもとても感謝しています。

ただ、そんな方達のなかにも「母子家庭は自己責任だ」と思っていて、本当に心の底から優しくしてくれていたわけではない人もいるんじゃないか、と怖くなることがたまにあります。

前述したようにインターネット上には、匿名で非常に厳しい意見を投げかける人がいます。それは時折内容どうこうよりも、他者を攻撃したいだけかのようにも見える書き込みもあります。母子家庭叩きはその一部でしょう。

現実世界では優しくしてくれていても、心の中では「母子家庭なんて自己責任…」なのにと考えて、インターネットで叩く…。被害妄想と言われるかもしれませんが、そういう人はゼロではないと私は感じています。


自己責任と語る根拠は支援&政策にあるらしい

すべり台の階段を駆け上がる子ども

「母子家庭は自己責任」と語る人達は、その多くが母子家庭向けの支援&政策不満があることに私は気付きました。

母子家庭というのは、やはり両親がいる家庭や父子家庭に比べると収入が少なく、貧困層と言われる家庭も多く存在しています。その分、国や地方が用意している支援や政策に頼らざるを得ない部分があります。

この支援や政策が「生活保護」にまでなってしまうと、母子家庭叩きはより一層ひどいものになってしまいます。

どの支援もどの政策も基本的には公共のお金、つまりは税金によって賄われています。

つまり母子家庭叩きをしたい方には

「自分たちの都合で離婚して母子家庭になったのに、税金を無駄に使ってくれるな」

ということなのです。

税金の問題と支援・政策の問題に関しては非常に難しい話で、母子家庭のお母さんや子どもがそれらに助けれられていることは事実です。

ただ、それでもこれらの支援や政策が非常に手厚いものかと言えばそうではないのです。

生活保護にまで話を言及すると少し話は違ってくるのかもしれませんが、母子家庭のお母さんの多くは必死で働いて、他の人と同じように必死で税金を納め、子ども達と一緒に暮らしています。この点に母子家庭であるとかないとかの違いはないと思います。

支援や政策にしても母子家庭に限ったものではないはずです。ご老人向けのもの、障害がある方向けのもの、様々なものがあるはずです。

 

母子家庭のお母さんの人格を疑う声もあるらしい

悲しそうな長い髪の女性

世間で起こる悲しい事件には、母子家庭のお母さんを原因とするものも含まれています。

こういった事件から、

「だから母子家庭の親はダメなんだ」

「やっぱり人間的に問題があったから離婚もしたんでしょうね」

 

という見方もあるようなんですね。

私から言わせれば、「母子家庭のお母さんじゃなくても事件を起こす人は起こす」と思いますし、「母子家庭のお母さんじゃなくても困った人はいる」と思います。それを「やっぱり母子家庭の親だから…」の一言で片付けるのはいささか疑問です。

 

母子家庭にしてしまったお父さんの存在も忘れてはいけない

これは母子家庭叩きの標的を移せと言いたいわけではないのですが、「母子家庭にしてしまったお父さん」の存在を忘れてはいけません。

ニュースでも取り上げられることの多い母子家庭ですが、その一方でお父さんのその後って報じられませんよね。

だからこそ世間の批判的な意見が目立っている母子家庭に向けられるのかもしれませんが、その母子家庭はもういっぱいいっぱいなんですよ…。すでに苦労している人達をそれ以上に苦しい目に遭わせる必要がどこにあるというのでしょうか。

 

誰もが思い通りの人生を生きられるわけじゃない

落ち込む女性白黒

母子家庭叩きをする方の「母子家庭は自己責任」という言葉ほど冷たいものはないと私は思っています。

確かに母子家庭になった方には、自らの選択の結果で母子家庭になった方もいるでしょう。パートナー選びの失敗、夫婦生活をする上での至らなさ、性格の不一致…。これらは確かに当事者の間だけの問題かもしれません。

しかし、病気や事故、望まぬ結婚などによって意図せずして母子家庭になった方がいるのも事実でしょう。その方にも当事者の問題で、自己責任だと言えるのでしょうか。

人間は誰もが思い通りの人生を生きられるわけではありません

これは母子家庭のお母さんや子どもだけに当てはまることではありませんよね。どんな方にも不条理な状況を押し付けられた経験、不条理な状況で生きていかざるを得ない経験が訪れる可能性はあるのです。

そんな時「それは自己責任だから仕方ない」と言われることほど、悲しくて、冷たくて、傷付けられる言葉はあるのでしょうか。望んでこうなったわけではないのに…。

皆が思い通りの人生を生きられないからこそ、思い通りの人生からこぼれ落ちてしまったことをいたわる気持ちを持つことが大事だと私は考えます。

全力で優しくしろとは言いません。せめてそういった方を叩くような行為は辞めていただいて、「そっとしておく」ということはできませんでしょうか…?

母子家庭育ちの私からあなたへのお願いです。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です